認知症を患っている高齢者に起こりやすい行動の一つが徘徊である。
徘徊したとしても、どこに行くか自体を忘れてしまうので、街の真ん中で立ち尽くしてしまったり元の家に帰れなくなったりと、危険なことがたくさんある。
せめて、「どんな時間に徘徊が起こりやすいのか」「どんな場所に向かいがちなのか」などの傾向を知ることができれば、少しは家族の危険が回避できるかもしれない。
そしてどうやら、徘徊が起こりやすい時間が存在するといわれている。
その徘徊が起こりやすい時間帯というのは、夕方の時間帯である。

夕方になると、「家に帰らなければならない」という気持ちになり、若い頃や元住んでいた家に帰ろうとしたり、「夕食を作るために買い物に行かなければならない」という考えを起こし、スーパーに行こうとしたりする。
夕方という時間は、どこかへ出かけて何かをしなければならないトリガーになりがちになるのだ。
もちろん帰る家も分からなければ、その時間に夕食を作ることもないので、街を徘徊することになる。
無理して止めると高齢者のストレスを増やしてしまうので、たとえば介護施設内の一角など安全に一人で行ける場所を一つでも作ってあげるとよいだろう。
そうすることで、本人も自信を持つことができて良いかもしれない。
徘徊してしまう場所や時間は予測しにくいが、ある程度の予想がついていたら気持ちも少し楽になる。
日頃から行動パターンをよく見ておくことが、安全を守る上で重要となるだろう。
こうした行動パターンについては、介護士が身につけたい徘徊防止の知識の一つだ。